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記事: 世界最先端の研究から見えた「生命はなぜマグネシウムを選んだのか」― IMS 2026 モントリオール参加レポート ―

世界最先端の研究から見えた「生命はなぜマグネシウムを選んだのか」― IMS 2026 モントリオール参加レポート ―

IMS(International Magnesium Symposium)2026 モントリオール参加レポート

8月21日、22日の2日間、カナダ・モントリオールで開催された IMS(International Magnesium Symposium) に参加してきました。

https://www.magnesiumsymposium2026.com/

IMSは、世界中のマグネシウム研究者、医師、教授が一堂に会し、最新の研究成果を発表・議論する国際シンポジウムです。

日本からの参加者は、オーガニックサイエンスのNathan、Alex、そして私・鎌田の3名に加え、糖尿病とマグネシウム研究の第一人者である横田邦信先生の計4名でした。

横田先生は、日本人として唯一IMSで研究発表をされた経験をお持ちで、今回が5回目の参加になります。

世界ではマグネシウム研究が大きく進んでいる

世界で進むマグネシウム研究|IMS 2026 参加レポート

2日間を通して感じたことは、世界ではマグネシウム研究が想像以上のスピードで進んでいるということでした。

心臓、腎臓、肝臓、脾臓、免疫、妊娠、神経、エネルギー代謝など、実に幅広い分野で新しい知見が報告されていました。

どの講演からも感じたのは、「マグネシウムは特定の臓器だけではなく、生命全体を支える重要な栄養素として研究されている」ということです。

私たちの身体は、想像以上にマグネシウムを守ろうとしている

身体がマグネシウムを守る仕組み|IMS 2026 参加レポート

特に印象的だったのは、腎臓に関する研究でした。

腎臓には、一度尿へ排出されそうになったマグネシウムを再び体内へ回収するために、TRPM6、TRPM7、CNNM2、CNNM4、SLC41A3、EGFRなど、多くの輸送体や関連タンパク質が存在しています。特にCNNMと呼ばれるマグネシウムトランスポーターと、PRLと呼ばれる癌の進行に関わるタンパク質の関係の研究が盛んに行われていることがわかりました。

これほど多くの仕組みを使ってまでマグネシウムを保持しようとしていることからも、人間の身体がこのミネラルを非常に大切に扱っていることが分かります。

さらに近年では、免疫細胞とマグネシウム代謝との関係についても研究が進んでいます。

今回の発表では、十分なマグネシウムが存在する環境では免疫細胞がより適切に反応することや、免疫細胞から分泌されるシグナルが腎臓に働きかけ、体内のマグネシウム保持に関与している可能性などが紹介されていました。

まだ研究が進められている段階ではありますが、免疫とマグネシウムの新しい関係が明らかになりつつあることに、大きな可能性を感じました。

「低マグネシウム」の評価も進化している

低マグネシウムの評価の進化|IMS 2026 参加レポート

もう一つ印象的だったのは、低マグネシウム状態(低マグネシウム血症)の評価方法についてです。

現在でも世界的に血清マグネシウムの基準値については議論が続いており、「どこからを低マグネシウムと考えるべきか」はまだ完全には統一されていません。

CLMD(Chronic Latent Magnesium Depletion)と呼ばれ、慢性的でまだ症状はないけれど体内マグネシウムは不足している状態の方が非常に多いことが分かっています。

そのため最近では、血清マグネシウム値だけではなく、Mg/Ca(マグネシウム/カルシウム)比も併せて評価する研究が増えてきていることが紹介されていました。

マグネシウムを単独ではなく、他のミネラルとのバランスも含めて捉えようという考え方が広がっていることを知ることができました。

一番印象に残ったのは「人」

IMSに集う世界の研究者の先生方|IMS 2026 参加レポート

もちろん、最新の研究を直接学べたことは大きな収穫でした。

しかし、私が一番印象に残ったのは、世界最先端で研究を続けている先生方のお人柄です。

100名近い研究者の先生方が参加されていましたが、皆さん本当にフレンドリーで親切で、マグネシウムが満ち溢れていることが分かりました。

日本から参加した私たちにも温かく接してくださり、多くの先生方と研究について意見交換をすることができました。

懇親会でも、さまざまな国の研究者の方々と交流することができ、とても有意義な時間になりました。

研究は国境を越えて進歩していくものだということを改めて実感しました。

次期PresidentのJeroen de Baaij先生と横田邦信先生

※次期PresidentのJeroen de Baaij先生と横田先生

Baaij先生の論文でマグネシウムは800以上の酵素反応に関わることを勉強しました。

日本でもマグネシウム研究をさらに広げたい

日本でマグネシウム研究を広げる|IMS 2026 参加レポート

今回のIMSに参加し、マグネシウム研究は今まさに新しい時代へ進もうとしていることを肌で感じました。

そして何より、私たちが普段考えている以上に、身体はマグネシウムを大切にしているということを改めて学びました。

生命は約40億年の進化の中で、このミネラルを数え切れない生命活動に利用してきました。

だからこそ私は、マグネシウムは「あらゆる生命活動を支えるインフラ栄養素」の一つであるという考えを、さらに深めることができました。

オーガニックサイエンスは、これからも世界で生まれる研究成果を学び、日本の皆さまへ分かりやすくお届けしていきたいと思います。

そして、日本におけるマグネシウム研究の発展にも少しでも貢献しながら、私たちのビジョンである

「マグネシウムの重要性を社会に根付かせる」

その実現に向けて、一歩ずつ歩み続けていきたいと思います。